エッセイ参考作

『白い壁』

白い壁が多い家。壁にポスターを貼らなくなった齢。
愛を優しく守ろうとして、僕の体は薬塗れ。

心臓は死の恐怖を脳に伝えるために動き、胃は血を吐くために唸り、頭は痛くなるために働く。

愛を気にすると空は真っ赤に染まり、自由を満喫しようとすると交響曲が鳴り響く。
あの時、愛猫と一緒に死ねばよかった。

白い壁が多い家。この家に帰るために生きているわけじゃない。
豪邸で寝ても公園で寝ても僕の体は薬塗れ。

朝目覚めると、「生きていたのか」と思い一日が始まる。髪の毛が抜け落ちている。夜はいつでも恐怖の闇。

愛に優しくなりたくて笑顔を作り、自由を得たくて誰かを抱きしめたい。
あの時、愛猫と一緒に死ねばよかった。

あの時、愛猫と一緒に死ねばよかった。
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